高性能住宅って何?
高性能住宅とは、快適に暮らすための様々な性能が備わっている住宅、特に断熱性や気密性、耐震性などに優れた住宅のことを言います。「エアコン1-2台で夏には涼しく冬には暖かい」「地震などの自然災害に強い」などの性能を持っているのが特徴的で、断熱性、気密性、耐震性、耐久性に優れている点がポイントになります。
>>高性能住宅に重要な「気密」について、詳しい情報はこちら!高性能住宅を検討する際には、まずその地域の気候特性を知ることが重要です。まずは、省エネ基準地域区分とUA値についてご紹介します。
省エネ基準地域区分とは
省エネ基準地域区分とは、その土地の気候に合った省エネ基準の分け方のこと。地域の気候に合わせて「1~8地域」まで、全国各地が8段階に分けられています。家を建てたいと考えている土地がどの地域区分であるかによって、その住宅に求められる断熱性能の基準値が異なるのです。
地域区分の数字は、エネルギー消費量が大きいほど数値が低くなります。そのため、寒い地域で暖房機器などのエネルギー消費量が必要となる北海道は「1地域、2地域」、南下していくにつれて数値は高くなり、日本で最も温暖な気候である沖縄県は「8地域」と指定されています。ちなみに、これらの地域区分はエリアごとに細かく定められているため、同じ市内でも基準地域区分が異なる場合も少なくありません。岐阜県内でも「3地域~6地域」まで地域によって区分が異なっているのです。
飛騨地域の断熱地域区分と断熱基準については
「注文住宅の断熱性能により室温は変わる?」の記事で紹介しています。
UA値とは
UA値とは、正式名称で「外皮平均熱貫流率」と呼びます。住宅の断熱性(熱の通りやすさ)を示す数値であり、家の内部から壁や床、屋根などを通って外部へ逃げる熱量を、外皮全体で平均化した値を指します。UA値が小さいほど「外部に熱が逃げにくく、断熱性の高い家である」ということになります。
UA値の詳しい説明・解説はコチラ
>>高断熱な家づくりに重要な断熱性能の数値「UA値」っていったいなに?
計画地の地域区分と推奨UA値を把握しよう
岐阜県内でも地域によって、気候の特性や日射状況が多少異なります。そのため岐阜県では気候区分類が16に分かれており、地域によって省エネ基準地域区分が異なっているのです。具体的な地域区分とそれによる推奨UA値をみていきましょう。
地域区分
まず、高山市をはじめとする4つの地域における地域区分をご紹介します。同じ市内にあっても、省エネ基準地域が異なる地域があることが分かるでしょう。
高山市
高山市内の省エネ基準地域は、すべて「4地域」に該当します。
下呂市
下呂市内は2つの省エネ基準地域に分かれます。小坂町、馬瀬は「3地域」、萩原町、旧下呂町、金山町は「4地域」に該当します。
飛騨市
飛騨市内の省エネ基準地域は、すべて「3地域」に該当します。
郡上市
郡上市内の省エネ基準地域は、3つの省エネ基準地域に分かれます。旧高鷲村は「3地域」、大和町、八幡町、旧明宝村、白鳥町、旧和良村は「4地域」、旧美並村は「5地域」に該当します。
推奨UA値
地域区分が把握できたら、どの程度の断熱性を求める家づくりをすれば良いのか、推奨UA値を把握しましょう。下記の表は、日本国内で指標とされる省エネ基準、ZEH基準、HEAT20基準の各地域ごとの必要UA値です。
表中の一番上、省エネ基準は2025年4月に義務化される断熱水準です。20年以上前に提唱された基準値で、最低基準となる断熱性能ですのであまり暖かいとは言えません。表中の真ん中、ZEH基準も同じく2030年に義務化される予定の断熱水準であり、こちらも早々に最低基準となってしまう程度の性能です。他の先進国ではHEAT20のG2またはG3にあたる断熱性能が標準とされており、国の省エネ政策の観点からも将来的にこの水準まで求められる見込みですので、これから住宅購入を検討されるならHEAT20のG2レベルのUA値を基準とするのがおすすめです。
>>注文住宅の断熱性能により室温は変わる?断熱基準ごとの比較ついてもご紹介
断熱性能だけでは不十分!気密性能との両立が必要
住宅の気密は「C値」と呼ばれる、床面積1㎡あたりの隙間面積(㎠)を表す指標で示します。数字が小さいほど隙間の少ない“高気密な家”になります。海外先進国の多くはC値基準が1.0以下、日本には基準が無いため、国内の新築住宅の95%以上を占める一般住宅の気密性能は10.0と言われており、大きさにしてB4用紙1枚程度の『穴』が開いています。
断熱性能のUA値は、C値が0であった場合の数値です。気密性が悪ければ、実際の断熱性能は落ちてしまいます。設計段階で決められた、断熱性能を確保する正確な工事が出来たかを気密測定をして確かめることができます。また、隙間が無いということは、隙間風に乗って外気に漂うチリや花粉が家の中に入らない、ということになります。そして、高い断熱性能を担保することが出来れば、その後の生活では、光熱費が掛からない快適な生活を送ることが出来るのです。
C値についての解説はコチラ
>>気密性能の基準と推奨するレベルはどこ?C値について
トータルコストで考えると、高性能住宅の方が安い2つの理由
高性能住宅は「性能が良いから費用が高い」と思う方も多いでしょう。たしかに初期の建築費用や住宅ローンの金額のみで見た場合、一般的な住宅と比べて高性能住宅は高額に感じるでしょう。しかし、長期的な視点で見てみると、高性能住宅の方が安くなる理由があります。ここでは、さまざまなランニングコストから考える、高性能住宅のお得なポイントについてご紹介します。
1.高性能住宅にすれば、光熱費などが安くなるから
生活するうえで、毎月必ず発生する固定費はさまざまあります。代表的なのは、住宅における光熱費。高性能住宅の大きなメリットのひとつとして「光熱費が抑えられること」が挙げられるでしょう。高断熱高気密の高性能住宅では、冷暖房設備のエネルギー消費を最小限に抑えながらも、家の中を安定した室温に保つことができます。そのため、一般的な住宅よりも電気やガスなどの光熱費を抑えることにつなげられるのです。
【住宅性能別光熱費シミュレーション】
具体的な金額で見てみましょう。ローコストな建売住宅から高断熱高気密の高性能住宅基準であるR+house飛騨の仕様を比べてみました。