平屋とは
平屋とは、基本的に階段が設置されておらず、すべての部屋がワンフロアにある1階建て住宅のこと。平屋というと、昔ながらの日本家屋をイメージする方も多いと思いますが、最近の平屋はおしゃれで洗練されたデザインかつ高性能の住宅が多く存在しています。実際に、高山市、下呂市、飛騨市、群上市がある岐阜県の平屋の着工数は、2013年から2024年の10年間で、664棟から1,765棟まで増加しています。
参考元:建築着工統計調査 建築物着工統計4 用途別(大分類)、地上の階数別、構造別(新築工事)/建築物の数、床面積、敷地面積 | 統計表・グラフ表示 | 政府統計の総合窓口
平屋のメリット・デメリット
ここでは、平屋のメリットとデメリットを紹介していきます。
平屋のメリット
家事の効率アップ
平屋は、上下移動することなくワンフロアで洗濯や掃除が完結するため、家事の効率アップが期待できるでしょう。例えば、1階の洗濯機から重い洗濯物を2階のベランダまで運ぶこともありませんし、ロボット掃除機1台でお掃除が完結するのも良いですね。
家族間の交流が増えやすい
部屋同士が近い平屋はどこにいても家族の気配を感じられ、顔を合わせることが多いため、家族間の交流が増えやすいといったメリットがあります。個人の部屋がリビングを囲むような間取りにすれば、思春期の子供と顔を合わせていない、といった事態も防げるでしょう。
地震に強い
建物の高さが低いため構造が安定している平屋は、2階建て住宅よりも地震に強いとされています。そういった理由で、平屋は柱や壁を少なくできるので、開放的な空間を作りやすいといったメリットもあります。
年齢問わず安心して暮らせる
平屋は階段がありません。そのため、子供や高齢者の階段でのケガや事故を防げるでしょう。歳を取って階段の上り下りがつらくなったときも、ワンフロアの平屋なら安心です。
階段のスペースを活用できる
階段を作るのに必要なスペースは一般的に4〜5畳と言われています。平屋は階段が必要ないため、その分のスペースを寝室にしたり、書斎にしたりなど有効活用できるでしょう。
修繕費が抑えられる
注文住宅は月日が経つにつれ、屋根や壁などに劣化が見られるようになります。2階建て住宅の屋根や壁を修繕する場合は足場を組んで作業する必要がありますが、平屋はそのような大がかりな作業が少なく済みます。そのため、修繕費が抑えられるのです。
自然の景色を取り込みやすい
飛騨地域は豊かな自然に囲まれた地域なので、自宅にも庭木などを植えて四季の変化を身近に感じたい方もいらっしゃるでしょう。平屋は2階建てと比べて土地との接地面積が広くなるので、自然をより感じやすくなる魅力もあります。
平屋のデメリット
広い土地が必要
家づくりにおいて知っておいて頂きたいのが「建ぺい率」。建ぺい率とは、エリアごとに決められている、敷地の中で建築可能な住宅面積の割合です。敷地を真上から見た際に建物がどの程度敷地を占めていていいのか、とイメージ頂くと分かりやすいです。
高山市や下呂市といった飛騨地域では4人家族で30坪~40坪の大きさのお家を選ばれる方が多いですが、飛騨地域内で一般的な建ぺい率60%の場合、ワンフロアで30坪を形作る平屋であれば、
30坪 ÷ 60% = 50坪
は最低でも確保すべき土地の大きさとなります。とは言え飛騨では車を最低でも2台は停めたい、小さくてもお庭のスペースが欲しいといった方も多いので、もう10-15坪確保しておく方が満足度の高いお家にしやすいです。2024年9月現在、高山市内でもかなり土地が高騰しているので、仮に坪15万円だとしても60坪で900万円は土地のご予算として考えておいた方が良さそうです。
一方、2階建てにする場合は必要な土地をだいぶ削減できます。例えば1階と2階を同じサイズにする総二階の場合、30坪のお家であれば1階当り15坪。建ぺい率60%であれば、
15坪 ÷ 60% = 25坪
が最低限確保すべき土地の大きさとなります。もちろんこちらも駐車スペース等を加味して10-15坪ほど敷地に余力がある方が良いでしょう。坪15万円で40坪であれば600万円の土地のご予算ですので、お家を建てるのに必要なコストを300万円減らすことができます。
建築コストが高くなりやすい
防犯やプライバシーの確保に不安がある
すべての部屋が1階にある平屋は、外からの視線が生活空間に届きやすく、防犯やプライバシーの確保に不安を感じる方も多いでしょう。設計時に、リビングを道路に面していない位置に配置したり、防犯グッズを利用したりなどの対策が必要です。
日差しが室内に届きにくい場合もある
建物の高さがない平屋は、周辺環境によって室内に日差しが届かない場合もあります。窓の大きさや位置を工夫する、建物の形を日が当たりやすいL字型やコの字型にするなどの対策が挙げられます。
平屋を建てるときの注意点
平屋を建てるときに注意したいポイントは、「土地選び」と「工務店選び」です。以下で見ていきましょう。
土地選び
平屋には、「必要な土地が大きくなる傾向がある」防犯やプライバシーの確保に不安がある」「日差しが室内に届きにくい場合もある」などのデメリットがありました。これらをカバーするためには、慎重な土地選びが必要です。検討している土地周辺の交通量や人通り、日当たりについての事前チェックを行いましょう。
工務店選び
多くのメリットがある平屋ですが、一方でいくつかのデメリットもありました。そのような平屋でコストを抑えて快適な暮らしをしていくためには、高い設計力と平屋の建築実績が豊富な工務店を選ぶ必要があります。
R+house飛騨では、建築家の高い設計力でお客様の理想を叶えた平屋の施工事例が多く存在します。平屋を検討している方は是非R+house飛騨にご相談ください。
平屋における災害リスク
すべての部屋が1階にある平屋は、洪水などによって浸水してきた場合に垂直避難ができないため、水害に弱いとされています。平屋を建てる土地を探す際は、ハザードマップを確認しながら水害の危険性を把握するとともに、設計時に基礎の高さを上げるなどの工夫が必要です。
平屋の間取りの工夫
平屋の間取りを検討する際は、生活動線を意識しましょう。例えば、車を駐車する場所からすぐにパントリーやキッチンに入れたり、ランドリールームと脱衣所を一緒にした部屋を作り勝手口を設けたりするなど。「ここにこれがあったら便利かな」「こことここが繋がっていたらスムーズだよね」など、実際の暮らしをイメージしながら間取りを検討することで、より快適な平屋暮らしができるでしょう。無駄な動線を減らしたコンパクトな設計を心掛ければ、土地の大きさも最小限にし土地代を抑えることに繋がります。
高山市周辺で平屋を建てるのにおすすめのエリア
ここからは、高山市・下呂市・飛騨市・郡上市の
平屋におすすめのエリアを紹介していきます。
高山市
高山市のおすすめエリアは、高山市中心部であれば国道41号西側の中山町や下岡本町、山田町、松倉町など。高山市の中心にほど近く、「ビッグアリーナ」や「高山短期大学」などがあり、商店や住宅と自然がバランスよく調和した住みよい地域です。人気のエリアも多いので地価も比較的高い物件が多いので、平屋でもコンパクトにまとめる等しながら総額を抑えるよう心掛けると良いでしょう。
参考元:高山市|高山地域 図郭図>>参考コラム:高山市の水害発生リスクは?注文住宅におすすめのエリアと家づくりのポイント
下呂市
下呂市のおすすめエリアは、萩原町の上村や桜洞など。こども園から小学校、中学校、高校まで徒歩圏内であり、子育て世代にとっては便利なエリアです。JR高山線東側は高台になっている地域が多く、水害の不安は少ないでしょう。ただし地域内には、土砂災害警戒区域や飛騨川の浸水想定区域もあるため、ハザードマップの確認は必須です。
参考元:下呂市|萩原地域10 萩原下 土砂・洪水災害ハザードマップ>>参考コラム:下呂市で水害・地震の危険エリアは?注文住宅は防水対策や耐震性能の強化が重要!
飛騨市
飛騨市のおすすめエリアは、飛騨古川駅周辺や宮川より北側の地域。地域内には買い物できるスポットが点在しているので、買い物には困らないでしょう。また、県道古川国府線や高山本線が地域内に通っているため、車での移動も便利。ただしこの地域内でも、宮川や荒城川の氾濫想定区域があるので注意が必要です。
参考元:飛騨市洪水ハザードマップ(古川町地区)>>参考コラム:岐阜県飛騨市で水害に強く耐震性が高い注文住宅を建てるには?
郡上市
郡上市のおすすめエリアは、白鳥地域。「鷲見病院」や「白鳥学園 白鳥こども園」「白鳥小学校」「白鳥中学校」などがあり、子育て世代にもおすすめです。買い物ができるスポットとしては「バロー白鳥店」や「DCMアットホーム郡上白鳥店」などが挙げられます。便利な一方で、冬には雪が積もる場合もあるため、家づくりにおいては寒さ対策・雪対策が必要です。
>>参考コラム:郡上市は水害や地震の安全性は?注文住宅における災害対策を解説
高山市周辺の土地坪単価
最後に、岐阜県全体と、高山市・下呂市・飛騨市・郡上市の坪単価をご紹介します。