間取りには「ぶどう型」と「りんご型」の2種類がある
住宅における間取りは、ぶどう型とりんご型の2種類があります。その名の通り、どちらもフルーツのぶどうとりんごに由来した間取りです。詳しく見ていきましょう。
1.ぶどう型の間取り
ぶどう型の間取りとは、ひとつの空間をいくつかの部屋で区切り、廊下を通じて部屋を行き来するスタイルを指します。区切られた個室がぶどうの実、廊下が枝に見えることからこの名がつきました。リビング、ダイニング、応接室、寝室など、それぞれの部屋に決められた用途があるのが特徴です。もともと個室の概念がなかった日本の住宅は、戦後、欧米文化の影響を受けてぶどう型の間取りを導入。それが徐々に定着し、ひと昔前までは日本の一般的な間取りだとされていました。
2.りんご型の間取り
個室で区切られたぶどう型の間取りに対し、りんご型の間取りはひとつの空間がワンルームのようにつながっているスタイルを指します。廊下や部屋を隔てる壁が少なく、中には吹き抜けで上下の空間をひとつながりにする間取りも。同じ空間にリビングやダイニング、階段などさまざまな要素が存在する様子を、実が詰まったりんごに見立てたことからこの名がつきました。現代の日本は、パソコンやスマホの普及とともに、家族との関わりが希薄になりつつあります。そこで、近年では家族とコミュニケーションが取りやすい、りんご型の間取りが注目の的となっているのです。
注文住宅の間取りに「りんご型」がおすすめな理由とは?
現代の注文住宅においては、りんご型の間取りを採用するのがおすすめです。ここからは、なぜりんご型の間取りが良いとされているのかを解説します。
空間を広く使った設計ができる
廊下や壁で区切られたぶどう型の間取りに比べ、同じ面積でも居住スペースを広くとれるのがりんご型のメリットです。限られた空間しかなくても、広々としたリビングや、解放感のある吹き抜けを設計することも不可能ではありません。
家族の気配を感じられる
ひとつの空間でつながっているりんご型の間取りは、キッチンからリビングを見渡せたり、それぞれ別々の場所で過ごしていてもお互いの声が聞こえたりと、いつも家族を身近に感じられます。人気のリビング階段や、リビングに併設したワークスペースなども、りんご型の特徴と言えるでしょう。
空き部屋ができる心配が少ない
個室がいくつもあると、将来子どもが独立した際に、空き部屋を持て余す可能性が高くなります。空き部屋が多い=空間を有効活用できないことにもつながります。りんご型の間取りなら、ライフスタイルに合わせて柔軟に部屋の使い方を変えることが可能です。空間を無駄にしないためにも、設計時に数十年後の過ごし方も想定しておきましょう。
「りんご型」の間取りを採用する際の注意点!
開放的で、家族とのつながりを大切にできるりんご型の間取り。しかし、りんご型の間取りにも弱点があります。りんご型の間取りを採用する際は、以下の注意点を押さえておきましょう。
断熱性・気密性が重要になる
りんご型の間取りは空間の面積が大きいため、エアコンが効きにくいといったデメリットがあります。冷暖房の効率が悪いと、夏は暑く冬は寒い家に。そこで重要なのが、住宅の性能を高めることです。とくに断熱性・気密性が高い家は、室温が一定に保たれやすく、1年中快適に過ごせます。つまり、開放的なりんご型の間取りでも、高い断熱性・気密性を確保することで、プランニングの自由度を下げることなく快適な家をつくることができるのです。
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生活動線は具体的にイメージする
用途に応じた個室があるぶどう型の間取りに比べ、りんご型の間取りはプライバシーの確保が難しくなります。たとえばワークスペースを間取りに取り入れたい場合、「家族とコミュニケーションを取りつつも、集中できる環境がほしい」と思う方もいるでしょう。その場合、半個室タイプにする、またガラス窓で仕切るなど、工夫次第で要望を叶えることが可能です。このように、自由度が高いりんご型の間取りを最大限活かすには、実際の暮らしを想定するのがポイント。家具や家電の位置から、コンセントの数、家事動線など、具体的な計画を行うことが大切です。
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「りんご型」の間取りを採用した施工事例をチェック
実際にR+house飛騨で建築した、りんご型の間取りを取り入れた事例を写真を交えてご紹介します。
外観と居住空間が調和する平屋
リビングを一段下げることで、ゆるやかにキッチンやダイニングとの空間を区切っています。リビングの横にはライブラリーコーナーを併設。壁で隔たれていますが、扉をつけないことでほど良いつながりを感じさせます。
リビングには大開口の窓を設け、床と庭がひと続きになるよう設計。やわらかい雰囲気の外観と、和風の庭、モダンなインテリアが建築家の手によって見事に調和されました。
プライベート空間の洗面スペースも、あえて仕切らず解放感のある間取りに。ランドリースペースとクローゼットも同空間にあり、家事動線も抜群です。
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おしゃれなスケルトン階段をリビングに設置した家
玄関からキッチン、リビングがひと続きになった間取りに、おしゃれなスケルトン階段を設置。限られた空間を、最大限まで広く使うことにこだわっています。ダイニングの横にはカウンターを設け、勉強や仕事など、家族みんなが使えるマルチスペースも。どこにいても子どもが遊ぶ姿や、勉強する姿を眺められる、あたたかみを感じる家です。
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玄関土間からリビングへと空間が広がる家
玄関の土間を上がると、すぐにリビングが広がる間取り。リビングと土間の間にはスタディスペースが設けられており、プライベート空間が見えないよう目隠しの役割も果たしています。
リビング横には、階段下を利用したヌックスペースが。リビングとつながりを持たせつつ、ほど良いおこもり感を演出しています。同じ空間の中に、いくつもの半個室スペースが共存するデザイン性の高い間取りです。
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りんご型の間取りを活かした家づくりは、R+house飛騨にお任せください
住宅性能や暮らしのイメージをしっかり押さえておけば、現代の家族にとってメリットが多いりんご型の間取り。居心地の良い空間かつ、理想のライフスタイルが叶う家をつくるには、信頼できる施工会社と出会うことも大切です。弊社では、高性能でデザイン性のある住宅を、低コストで提供できることを強みとしています。高山市・下呂市・飛騨市・郡上市で注文住宅をご検討中でしたら、ぜひ一度お問い合わせください。