高性能住宅ってどんな家?
高いレベルの断熱性能・気密性能・換気性能を確保していれば、エアコン一台で家全体を冷暖房することが可能です。しかし、一般的な高断熱・高気密住宅では、エアコンは複数台必要になってきたり、一台でも20畳を超えるかなり大きなエアコンを設置しなくてはいけなくなります。
まずは、エアコンが一台で済む家の断熱性能と気密性能の基準を知った上で、エアコン一台で冷暖房出来る快適な住まいを見つけていきましょう。
高断熱・高気密住宅についてもっと知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
高断熱な住宅
エアコン一台で冷暖房するためには、家の断熱性能がもちろん重要になってきます。この断熱性能は、大きく3つの基準で分かれています。
住宅の断熱性能の基準は、「省エネ基準」「ZEH基準」「HEAT20基準」の3つです。この中ではHEAT20が最も厳しく、最も断熱性が高い暖かい家となります。
HEAT20については、こちらの記事でもっと詳しく解説しています。
断熱の目安基準はHEAT20クラス
エアコン一台で冷暖房を行う場合、高性能住宅に求められる断熱性能は、HEAT20レベル以上です。
HEAT20はG1からG3まで3段階に分かれていますが、消費電力の削減も加味していくと、HEAT20のG2基準で家づくりをすることをおススメしています。
HEAT20のG2グレードのUA値は、高山市や下呂市、郡上市をはじめとする4地域で0.34。飛騨市や郡上市の北部といった3地域では、0.28となっています。
飛騨地域の詳しい区分と基準のUA値はコチラの記事でご紹介しています。合わせて確認しておきましょう。
>>
高山市での高断熱な家づくりに重要な断熱性能の数値「UA値」っていったいなに?
高気密な住宅
家の中の隙間を無くすことも、快適な冷暖房計画には重要です。
断熱性能をしっかり担保する気密性能は、断熱性能と合わせて確認する必要があります。
気密性の目安はC値0.5以下
推奨する気密性能の数値は0.5以下です。エアコン一台で冷暖房を行う場合、C値が0.5以下であれば、エアコンの表示スペックの何倍もの空間を冷暖房することが可能になります。
気密測定をしている会社を選ぶ
気密性能は、気密測定という試験を建築中に行うことで初めて数値が分かります。高い断熱性能と気密性能を持っている住宅会社は、必ず全棟で気密測定を行い結果も公表しているので、エアコン一台で冷暖房が出来る高性能住宅を建てる場合は、全棟気密測定を行っている住宅会社を選ぶと良いでしょう。
エアコンと関わってくる換気システム
換気システムも、高性能住宅にはセットで考える必要があります。
エアコン一台で冷暖房を行う場合、必ず熱交換機能付きの第一種換気を採用するようにしましょう。
機械で計画通り換気が出来る第一種換気ならば、家の中を満遍なく換気することができます。
そして熱交換システムがついていれば、冷暖房した空気を外に逃がすことなく、無駄のない換気ができます。
エアコン一台で大丈夫な理由と条件
レベルの高い高性能住宅ならば、エアコン一台で冷暖房出来るというのは、計算上結果を出すことができます。しかし、普通にエアコンを設置するだけでは、冷暖房を完全にこなすことはできません。
高気密高断熱な住宅において、エアコン一台でも大丈夫な条件は以下の3つになります。
エアコン一台で冷暖房が出来る条件3つ
空間が壁で仕切られていないこと
高性能住宅でも、壁が沢山あり居室が細かく区切られていては、エアコンも十分な効果を発揮することが出来ません。リビングとダイニングが分かれている場合や、広い家の中に行くつもの壁や廊下がある場合などです。こういった仕切られた部屋が存在する場合は、その部屋専門のサブのエアコンをつけてあげると良いでしょう。
家全体に送風できる設備があること
暖かい空気は上に、冷たい空気は下へ向かう性質があります。その為、2階建ての家や勾配天井のある家などは、室内で温度ムラが出来てしまいます。その為、サーキュレーターや扇風機、シーリングファンを設置し、室内を空気が循環するようにしてあげましょう。
夏の窓からの日射を遮る工夫がされていること
高断熱住宅の場合、家の中からエアコンの冷気が出ていくことはありませんが、夏の窓から入ってくる熱もため込んでしまうデメリットがあります。その為、日射を遮る工夫が窓際には必要になります。ブラインドやカーテンといった室内で遮る方法が一般的ですが、それでは窓ガラス自体は熱せられてしまうため、外から日射を遮るすだれや庇、外付けブラインドで日射を遮ることが有効になります。
高性能住宅のエアコンの考え方、空調計画のポイント
エアコンの選び方
エアコンには、「〇畳用」など広さの目安となるものが表示されています。実は、この〇畳用というのは、1964年に制定された古い基準だということはご存じでしょうか?
高断熱高気密住宅では、この適応畳数通りのものを選ぶとオーバースペックになりすぎるので、小さいサイズでも十分効果を発揮してくれます。
エアコン容量早見表
外気温が-10℃、室温を22℃とした場合、家の性能によってエアコン表示性能の何倍まで対応できるかを一覧にしました。
例えば、UA値が0.34(HEAT20G2グレード)でC値(気密性能)が0.2だと、エアコンの表示スペックよりも5倍以上の空間を暖房することができます。家の延べ床面積が25坪(50畳)ならば、10畳用エアコン1台で暖房のエネルギーは足りるという計算です。
さらに、C値が0.1になり、UA値が0.28になれば、6倍の広さまで対応可能になります。30坪の空間を10畳用のエアコン一台で十分という結果です。
もちろん、実際の家では扉や壁量により空気の循環が阻害されているので、あくまで目安と考えてください。
高性能住宅のエアコンの位置
エアコンが効果的に稼働できるように、取り付ける位置も重要になってきます。一般的な壁付けエアコンの場合、エアコンの下部から暖気・冷気が吹き出すため、エアコンよりも上の空間の空調が出来なくなります。エアコンの位置は、なるべく天井に近く、かつメンテナンスがしやすい位置を選ぶことが大切です。
エアコンの周囲の空間に遮るものを無くす
エアコンからの風がきちんと室内にいきわたるように、障害物がない所に設置することも大切です。
間取り、プランの考え方
出来るだけシンプルな間取りにする
一台のエアコンで冷暖房を行うには、出来るだけシンプルな間取りが望ましいです。居室が多い複雑な間取りだと、壁だけでなくドアの数も増えてしまい、エアコンからの空気がいきわたりにくくなってしまいます。出来るだけオープンな空間を取り、プライベートな居室空間は最低限にする、などシンプルな間取りにするほうが、エアコンの効率は上がります。
複雑な間取りにする場合は、冷暖房がきちんとできるように全館空調を検討するなどの工夫が必要になってきます。
エアコン一台で快適に暮らせる高断熱高気密住宅の施工事例を紹介
R+house飛騨の施工事例
23坪(46畳)の平屋を10畳用のエアコン一台で暮らす
28坪(56畳)のショールームは6畳用のエアコン一台
モデルハウス31坪(62畳)の複雑な間取りを全館空調を使いエアコン2台
50坪(100畳)の空間の冷暖房を全館空調を使い20畳用2台で行う平屋事例
実際の間取りと合わせた、適切な空調計画を行うことが重要
数値の計算上では、30坪の平屋でも10畳用エアコン一台で冷暖房を行えることが分かりました、しかし、実際は2階建てだったり、居室がいくつかあったりと世帯によって条件は様々です。
その為、家づくりでのエアコン計画は、間取りとライフスタイルに合わせた計画を行うことが重要です。
家族がいつも集まるリビングは10畳用とサーキュレーターで冷暖房と空気循環を行い、寝室には、6畳用の小さなエアコンを設置しておき、夜間は寝室のエアコンだけ動かす、といったように暮らし方で空調設備と上手く付き合っていくことが重要です。
家づくりの中で、忘れがちなエアコン計画。後悔ポイントにもなりがちな空調計画をしっかりと考えて提案してくれる住宅会社を選んで家づくりをしていきましょう。
エアコン一台でも冷暖房出来る高性能住宅を建てるならR+house飛騨にご相談下さい
エアコン一台で冷暖房を行う方法と注意点を解説しました。エアコンが少ない台数で済めば、光熱費が削減できるだけでなく、将来の買い替え費用を抑えることができ、季節ごとの掃除の手間も軽減されます。注文住宅を建てる時は、エアコンも含めた適切な空調計画を考えていくことをおススメします。
私たちR+house飛騨では、全棟で熱交換機能が付いた第一種換気システムを採用しています。また、全棟で換気経路と換気量の計算と換気口の配置計画を行います。断熱性能はHEAT20のG2クラスで設計を行い、気密測定も全棟行い気密性能も担保した家づくりを行います。
夏の日射遮蔽や冬の日射取得は、パッシブ設計を熟知したR+house提携の建築家、お客様が家を建てる土地にぴったりのプランニングを行います。
R+house飛騨の家づくりについてはコチラでご紹介しています
>>高山市のR+house~建築家と叶える理想の家づくり~