どんな家が長期優良住宅?
長期優良住宅は、「手入れをしながら数十年後も快適に暮らせる家」を指すもので、国土交通省が推進する住宅制度のひとつです。2009年に施行されて以来、2023年には累計でおよそ133万戸の新築戸建てが長期優良住宅に認定されました。長期優良住宅は、住宅の断熱性や耐震性、維持・管理のしやすさ、省エネ性が備わっているかどうかなどを総合的に評価し、高い基準をクリアした住宅だけが認められます。認定された住宅は、ローン控除や補助制度の利用など、お金の面で優遇措置を受けられます。また、快適な家に長く住める、家の資産価値が高くなるといった点も特徴です。
長期優良住宅のメリットは?
長期優良住宅には「省エネ性」、「劣化対策」などのチェック項目が設けられており、これらの認定基準を満たすことで、住む人に快適で安心できる暮らしがもたらされます。ここでは長期優良住宅の認定基準を満たすことで、住む人にもたらされるメリットについて解説しましょう。
快適で経済的にもやさしい
長期優良住宅では断熱性能などに基準値を設け、「省エネ性」が確保されているかどうかを判断します。省エネ性が高いと判断された家は、家の中に外の熱を通しにくく、一年を通して快適に過ごせる家です。冷暖房の使用が控えられるため、光熱費の削減にもなります。
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安全性が高く安心できる
長期優良住宅において重要なのが安全性です。認定条件には、普段見えない床下などの基礎や配管を点検しやすくする「劣化対策」や「維持管理の容易性」、住宅の主な構造や設備の定期的な点検を義務付ける「維持保全計画」が設けられています。また、被害想定ごとの耐震等級で定めた「耐震性」も重要視されており、台風や地震が来てもダメージや修理費用を最小限に抑えられる住宅を目指せます。
数十年にわたって長く住める
「住戸面積」では、住む人が心地よく過ごせる面積があるかを判断します。家がもつ機能として当たり前のように感じますが、プライバシーや衛生面を守る観点からも必要な項目です。「居住環境」では、周囲の景観や自然に配慮し、地域と共存していくことを目的とします。これらに加えて、二世帯住宅などでは、間取りの変更にも対応できる「可変性」も認定基準に入ります。
長期優良住宅における金銭的メリット
長期優良住宅には「フラット35S」を利用した場合の金利が一定期間引き下げられたり、固定資産税などの住宅に関する税金が減額・免除されたりと、金銭的メリットもあります。中でも住宅ローン控除は得られる利益が大きく、通常の住宅に比べて最大182万円の控除が受けられます。
また長期優良住宅を建てる場合、補助金制度の利用が可能です。「地域型グリーン化事業」への申請をすれば、補助金を最大140万円受け取れます。ただし地元の中小工務店で建てることが条件のため、マイホームの検討をしている方は、住宅会社・施工会社と契約する前に補助金制度を念頭においておくと良いでしょう。
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長期優良住宅のデメリットは?
長期優良住宅は国から認定通知書を発行してもらい、初めて減税などの措置を受けられます。申請は住宅の着工前に行わなければならず、認定されるまでの申請費用や手数料、手続きに時間がかかる点がデメリットです。手続きは施工会社が行う場合がほとんどですが、書類不備などがあると工期も伸びるため、長期優良住宅を得意とする施工会社を選ぶと良いでしょう。
なお飛騨地域は山間部に隣接している土地が多く、自治体によりレッドゾーン(土砂災害特別警戒区域)に指定されている場合があります。建築に多くの制限がかかることになり、長期優良住宅に認定されることは極めて困難になりますので、長期優良住宅の認定を取得したい方は土地選びから慎重に行いましょう。
長期優良住宅は、手入れをしながら長く住むことが目的です。住宅の定期的なメンテナンスや、性能を維持する費用が欠かせません。長く住むうえでの必要経費と考えて、長期的な資金計画を組むことが大切です。
長期優良住宅を検討する前に飛騨周辺の気候をチェック!
高山市、下呂市、飛騨市、郡上市で長期優良住宅を取得しより快適に過ごすために、まずは各地の気候をみていきましょう。気象庁がまとめる降水量と日照時間を、1991~2020年の平均値とともに紹介します。雪が降るところや霧が発生するところなど、地域によって気候の特徴はさまざまですが、冬季は東北地方と同等の寒さになります。断熱性、気密性に優れた高性能な家を建てることが、快適な暮らしに繋がります。
山々に囲まれた高山市
高山市は飛騨山脈をはじめとする大小の山々に囲まれ、同じ市内でも標高差が2,000mあるなど変化のある地形をしています。降水量は1,776mm、日照時間は1,638時間ですが、盆地の市街地と山岳地域では冬季に積もる雪の深さが大きく異なります。市全体では、盆地であることから夏は蒸し暑く冬は厳しい寒さとなります。
住宅地や農地が広がる下呂市
下呂市は飛騨山脈や木曽山脈に挟まれ、山の間を流れるいくつもの河川の流れに沿う形で住宅地や農地が広がります。夏は比較的湿度も低くしのぎやすい暑さですが、冬は市内を流れる川沿いを中心に強い北風が吹き芯まで冷え込む寒さが特徴です。また、中山間地であるため地震や土砂崩れなどの自然災害とは近い関係にあります。降水量は2,588mmと比較的多めで、日照時間は1,849時間です。
岐阜県最北端にある飛騨市
飛騨市は岐阜県の最北端にあり、高山市の隣町にあたります。降水量は1,937mm、日照時間は1,714時間です。降水量は多くないものの、年間を通して1日の気温差が10度前後もあり、朝は霧が発生することもしばしば。毎年12月頃に雪が降り始め、積雪量は市街地でおよそ50cm、その他の地域では2倍になるところもあります。
地域によって気温差のある郡上市
郡上市は飛騨地方に隣接する中濃地方に位置していますが、気候的には飛騨地方に近い地域が多いです。降水量と日照時間は4市の中でもっとも数値が高く、市役所がある八幡町では降水量は2,689 mm、日照時間は2,040時間となっています。郡上市は南北に向かって縦長の地形をしており、北部と南部の年間平均気温の差に10度前後の違いがあるのが特徴。冬は北部に行くほど雪が多く降り高鷲町、明宝など、年度別平均の最深積雪が100cmを超す地域もあります。
>>飛騨周辺エリアの気候について詳しくはこちら!必要な住宅性能もご紹介
長期優良住宅における地域の断熱性能水準
長期優良住宅では認定条件である省エネ性を、断熱等性能等級によって判断します。断熱等性能等級は1~7まで存在し、等級5以上でなければ長期優良住宅と認定されません。また、一次エネルギー消費量についても最高値である等級6のクリアが必要になります。これは、より省エネ性能に優れたZEH基準と同等です。
断熱等性能等級は断熱性能を表すUA値によって定められており、長期優良住宅やZEH、ZEHよりさらに高い断熱性を求めるHEAT20にもそれぞれUA値の水準が設けられています。
またUA値の水準は、住みたい地域によっても異なります。寒い地域と暖かい地域に同じUA値の家を建てた場合、室内の快適さは異なるでしょう。住みたい地域に求められるUA値は、気象情報に基づいた8つの地域区分によって判断が可能です。
飛騨周辺エリアの断熱水準は?
高山市、下呂市、飛騨市、郡上市の、断熱性能ごとに求められるUA値をみていきましょう。HEAT20はG1~G3のグレードがありますが、G3がもっとも高性能になります。
これから新築で注文住宅を検討する場合は、長期優良住宅が基準とするZEH基準以上の性能で建てなければなりません。ただ国は断熱の最低基準を将来的に引き上げ、2030年にはZEH基準を最低ラインとする方針。40年50年と長い年月住み続けるお家であれば、さらに高性能なHEAT20のG2基準を目安に建てるとよいでしょう。
高山市
全域・・・地域区分4
下呂市
旧小坂町、旧馬瀬村・・・地域区分3/その他の地域・・・地域区分4
飛騨市
全域・・・地域区分3
郡上市
長期優良住宅を選ぶなら押さえておきたいポイント
長期優良住宅は品質と安全性が国から認められた住宅であり、資産価値も上がります。その反面、建築コストに備えた資金計画や、定期的な手入れが必要です。金銭的メリットもありますが、デメリットも理解したうえで検討するのがポイントです。
長期優良住宅を多く建てている住宅会社は住宅の品質や性能など、お客様の長期的な利益に重きを置いて家づくりを行っている会社が多いです。一生に一度の大きな買い物で後悔をしたくない、ということであれば、長期優良住宅を建てられるかどうかを住宅会社の判断基準にすることをおすすめします。
R+house飛騨は長期優良住宅を標準としています
R+house飛騨では省エネ住宅に不可欠な断熱性能に、標準仕様でHEAT20・G2の基準を採用しています。
高い断熱性をもつ高品質な家づくりには、地域の気候をよく知ることが大切です。R+house飛騨は下呂市に拠点を構え、高山市、下呂市、飛騨市、郡上市を中心に、こだわりの注文住宅をご提供しております。長期優良住宅や太陽光発電システムを搭載したZEH住宅などの高い品質の住宅をお求めでしたら、ぜひR+house飛騨までご相談ください。
>>長期優良住宅も取得できる省エネな注文住宅「R+house」について、詳しくはこちら!