岐阜県の気候はエリアによって大きく異なる!?
まずは、岐阜県の気候や気候に合わせた住宅性能について、詳しく見ていきましょう。
7つの県に接している岐阜県は、飛騨山脈や両白山地といった山に囲まれたエリアです。中でも飛騨地方の平地はわずかで、その地形のほとんどを標高の高い山地・山脈が占めています。一方美濃地方の南西部では、海抜0mの濃尾平野が広がるなど、岐阜県は県全体で高度差が大きいのが特徴です。
太平洋側と日本海側の中間にある岐阜県は、属する気候区も場所によって異なります。美濃地方の多くは太平洋岸気候、飛騨地方の大部分は日本海側気候、一部では内陸性気候に属するエリアも見られるでしょう。
夏には日本の最高気温上位を記録する場所もありますが、冬の寒さも厳しいエリアです。飛騨地方は冬の最高気温が氷点下になるなど、降雪・積雪も珍しくありません。気温は東北や北海道南部レベルとも言われています。北陸3県に近い場所でも、1m以上の積雪が見られるでしょう。特に10月下旬~4月は、朝晩の冷え込みが非常に厳しくなります。平野部では温暖な気候で過ごしやすい地域もありますが、標高が高くなればなるほど、冬の寒さが身にしみるでしょう。
参考:岐阜地方気象台「
岐阜県の地勢と気候特性」
岐阜県で必要な住宅性能とは?
年間を通して、気温や天気の変化が激しい岐阜県で快適に過ごすには、高断熱・高気密の性能を兼ね備えた住宅が必要です。ここでは岐阜県で住宅を建てる際に、目標とすべき断熱基準を見ていきましょう。
省エネ基準から見る地域区分とUA値
断熱性能を確認する前に知っておきたいのが、省エネ地域区分です。省エネ地域区分とは、地域の気候に合わせて断熱基準を区別したもの。
8つの地域区分の中で、3の地域区分に属するのが飛騨市、高山市・下呂市・郡上市の一部、4の地域区分に属するのが高山市・下呂市・郡上市の主なエリアとなっています。
国が定める省エネ基準では、3の地域では、UA値0.56が断熱性能の基準値とされており、4の地域では0.75が基準値です。UA値は住まいの断熱性を表しており、数値が小さくなるほど断熱性能が高いということを表します。
2016年に定められた地域区分ごとのUA値は、もともと長期優良住宅やフラット35の制度を利用するために必要となる等級でした。しかし国際基準で見ると、日本の地域区分で定めたUA値は基準が低いとされています。そこでより高い基準を日本の標準的な住宅にすることを目標とし、掲げられたのがZEHなのです。
ZEH基準におけるUA値
通称ゼッチと呼ばれるZEHは、日本における住宅の省エネ性能を、より高くすることを目的に定められました。ZEHで目指す家は、省エネしつつ太陽光発電などで自家発電することで、自給自足を目指したエコな住宅のことです。具体的には使う電力を減らす省エネルギーと電力を生み出す創エネルギーで、年間の消費エネルギーがゼロ以下になることを目標としています。
国は2030年に新築される住宅の平均でZEHを基準化することを掲げているため、今後はZEH基準のUA値がスタンダードとなっていくことが考えられるでしょう。ZEHの基準で見ると、岐阜県で目指すべきUA値は、地域区分3のエリアで0.50、地域区分4のエリアで0.60となっています。
HEAT20で目指すUA値
ZEH基準をクリアしたとしても、日本の住宅性能は世界と比べると、まだまだ低基準です。そこで、住宅の生産団体や研究者が有志で設立したのがHEAT20。HEAT20は日本の住宅性能を向上し、居住者の健康と快適な暮らしを実現するために、新たな省エネ基準を提案しています。この団体が具体的に提言しているのは、G1、G2、G3といったグレードです。
地域区分3に属するエリアがHEAT20の基準を目指すならば、G1で0.38、G2で0.28、G3で0.20のUA値をクリアする必要があります。地域区分4のエリアのUA値は、G1が0.46、G2は0.34、G3で0.23です。高い基準のようにも思えますが、これから世界基準に日本が追いつかなければならないことを考えると、最低でもG2は目指しておきたいところでしょう。
>>省エネで快適な住まいに必要な性能とは?併せてこちらもチェック!
高性能住宅で光熱費が削減できる理由
岐阜県でHEAT20のG2をクリアした場合、どれくらいの光熱費が削減できるのでしょうか。電気プラン乗り換えサイトが2021年度のデータをまとめた、岐阜県の平均的な光熱費と比較してみましょう。
岐阜県の平均的な光熱費
電力会社や加入している電気料金プランにもよりますが、岐阜県全体の平均的な電気代は9,583円です。当然世帯人数が増えるほど電気代も高くなり、1人暮らしでは4,927円のところ、5人暮らしの世帯では11,166円となっています。
季節ごとで見ると冬場の電気料金が高くなる傾向にあり、12~2月の平均的な電気代は10,980円という結果です。6~8月の平均が8,072円なので、夏と冬では約3000円の差があることがわかります。寒い冬は、暖房にかかる費用が高くなるのが一般的。ヒートショックのリスクを防ぎ、快適に暮らすためには、やむをえない出費と言えるかもしれません。
同様にガスも冬の使用量が高く、年間平均で4,384円のところ、12~2月の冬季では4,987円という結果でした。最近は光熱費が高騰傾向にある中で、さらにストーブなどで消費する灯油の使用量もあるとすれば、岐阜県では冬の光熱費が家計を大きく圧迫している可能性もあるでしょう。冬の寒さが厳しい飛騨地域では岐阜県平均を大きく超えて光熱費が高額になる場合も多く、地域特有の切実な問題だと言えます。
高性能住宅だと光熱費はどれくらい?
では、高性能住宅だと光熱費はどの程度削減できるのでしょうか。想定する暖房方式は以下の通りです。
【LDK】
平日は24時間、休日は19時間の連続暖房。
【主寝室・子ども部屋】
深夜日中を除き、在室時暖房。
【和室】
暖房なし
【トイレや浴室など】
暖房なし
上記のような条件でシミュレーションすると、3の省エネ地域区分で基準にされているUA値0.56では、25%の割合で住宅内の体感温度が15度を下回ったのに対し、HEAT20のG2の住宅では体感温度15℃を下回ったのが8%程度という結果でした。つまり断熱性能が高い家では、限定的な暖房使用でも住宅全体が温められ、冬の光熱費を削減することにつながるということがわかります。
実際にUA値0.56と比較し、G2のUA値0.28では、約40%もの暖房負荷が削減されるという結果が報告されました。以上の結果から、高性能住宅を建てるには初期投資がかかるものの、それに見合ったランニングコストを実現できると言えるのではないでしょうか。
高性能住宅に住むと生活費にどのような変化があるのかはこちらの
「高山市の注文住宅にかかる建築相場は?」という記事でもシミュレーションを交えて解説しています。
>>気候に合った高性能住宅は快適でお得!併せてこちらもチェック
高性能住宅を建てた場合に受けられる補助金
国は住宅の省エネ化を推進するため、高性能住宅を新築した場合の補助を行っています。条件によって補助される金額は異なりますが、補助金の対象となる新築は、ZEHの交付要件を満たす住宅を建築した場合や、再エネルギーの自家消費率拡大を目指した場合などです。住宅の性能に応じて、55~100万円までの大きな金額が補助されます。現時点で補助金の実施期間は2025年までです。もし住宅の新築を検討しているのであれば、補助金が受け取れる今がチャンスと言えるでしょう。
参考:環境省HP「
令和5年度予算 及び 令和4年度補正予算 脱炭素化事業一覧」
参考:環境省「
戸建て住宅ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化等支援事業」
>>【2023年】注文住宅の補助金・住宅支援制度について詳しくはこちら!>>高山市で受けられる補助金制度は?子育ての支援制度についてもご紹介
岐阜エリアの高性能住宅はR+house飛騨におまかせ!
R+house飛騨はデザイン性・性能・コスパの良い家づくりを強みとしています。年間を通して季節差の激しい岐阜県で一年中快適に暮らすためには、断熱性能が欠かせません。そのためR+house飛騨ではHEAT20のG2を断熱性能の標準としており、エコでランニングコストのかからない住まいを実現。生涯にわたって満足いただける家づくりをサポートします。もし高山市、下呂市、飛騨市、郡上市といったエリアで住宅の新築を検討している場合は、ぜひR+house飛騨にご相談ください。
>>岐阜県で建てる、夏は涼しく冬は暖かい高性能住宅「R+house」についてはこちら