家に求められる「耐震性」
地震対策には、「耐震」「制震」「免震」といった方法があります。
●耐震 … 建物の構造を強化し、揺れに耐える
●制震 … 建物内部に制震部材を組み込み、揺れを吸収する
●免震 … 基礎と建物の間に免震装置を設置し、建物に揺れを伝えず受け流す
なかでも「耐震」は一般的な地震対策として、多くの住宅で取り入れられています。耐震とは、建物自体を強化し、地震の揺れに耐えられる構造にすることです。地震の揺れによって、重量のある屋根や床に特に力がかかるため、柱を含め建物全体をバランスよく補強することが求められます。
耐震等級とは?
建物の耐震性を表す指標として、法律に基づき設けられているのが「耐震等級」です。耐震等級は1から3まであり、数字が大きいほど耐震性が高いことになります。
●耐震等級1 … 建築基準法により定められている最低限の耐震性
●耐震等級2 … 耐震等級1の1.25倍の耐震性
●耐震等級3 … 耐震等級1の1.5倍の耐震性
最高ランクの耐震等級3の建物であれば、震度6や7の地震でも耐えられ、軽微な修繕程度で済むと想定されています。
耐震性が低い家のリスク
耐震性が低い家は、建物崩壊のリスクが高くなります。2024年元日、石川県能登半島で震度7を観測した能登半島地震では、古い木造住宅や旧耐震基準で建てられた家屋・ビルなどが大きな被害を受けました。
旧耐震基準は、建築基準法で耐震基準が強化される1981年まで適用されていた基準のことで、「震度5強の地震に耐えられ、修繕すれば生活が可能になる構造基準」となっていました。しかし、長時間続く揺れや、連続して発生する大きな揺れには対応できていなかったのです。
また、耐震等級1の家は新耐震基準を満たし、震度6や7の地震に耐えられる構造ではありますが、建物の損傷は大きくなるリスクがあります。配管が壊れたり壁がひび割れたりする可能性があるため、大規模修繕や建て替えが必要になる可能性が高いでしょう。
家の耐震性を高めるには?
長く安全な家に住み続けるためには、地震に強い家を建てる必要があります。では、どのような家が地震に強いのでしょうか?耐震性が高い家の特徴と、耐震性を高める方法について見ていきます。
耐震性が高い家の特徴
次の特徴がある家は、耐震性が高いといえます。
●土地の地盤が強い
●構造・形状がシンプル
●軽い建材を使っている
●建物の高さが低い
地震に強い家を建てるためには、地盤が強いことが大前提です。もしも地盤が緩い土地に家を建ててしまうと、地震の際に家を支えきれず沈下や倒壊が起きる可能性があります。
また、複雑な構造・形状の家よりも、正方形に近いシンプルな形の方が建物にかかる力が分散され、被害を受けにくくなるでしょう。
さらに、軽い建材を使い、高さが低い平屋建てにする方が揺れにくいため、地震に強いといえます。
耐震性を高くする構造
建築基準法で定められた新耐震基準により「耐震構造」の採用が必須となっています。耐震構造は、柱や梁といった構造部分を強化することで耐震性を高める方法です。
具体的には、柱と柱の間に筋交いを設置して接合部を金具で補強したり、耐力壁を適切に配置したりします。比較的低コストで施工できますが、耐震構造の場合は地震の揺れが建物に直接伝わるので、上の階になるほど揺れが強くなってしまう特徴もあります。
耐震性を高める工法は?
例えば、木造住宅の工法には主に「木造軸組み工法(在来工法)」「木造枠組み工法(ツーバイフォー)」「木造ラーメン工法」があります。それぞれの工法にはメリットとデメリットがあるので、しっかりと理解しておくことが大切です。
【木造軸組み工法(在来工法)】
木造軸組み工法は、柱や梁などの構造材を組み上げる工法で、す。間取りの自由度が高く、建築コストも抑えられるのが特徴です。
【木造枠組み工法(ツーバイフォー)】
木造枠組み工法は、床面や壁面のフレームを箱型に組んでいく工法です。建物を面で支えるため耐震性や気密性を高めやすいですが、間取りは制限されます。
【木造ラーメン工法】
木造ラーメン工法は、門型のフレームを組み合わせる工法です。設計の自由度と耐震性を兼ね備えていますが、専用の部材を採用するためにコストがかかるデメリットがあります。
家の耐震性に重要なのが「構造設計」
地震に強い家かどうかを確認する方法は3つあります。
●壁量計算 … 壁の量を基に、地震などで倒壊しないか検証する方法
●性能表示計算 … 耐震等級2・3の確保や長期優良住宅の建築時に用いられる方法
●構造計算(許容応力度計算など)… 壁・部材・地盤・基礎の強さを緻密に計算できる方法
「壁量計算」は、耐震性を確認する方法の中では最も簡易的といえます。「性能表示計算」は壁量計算にいくつかの検討項目が加わり、耐震等級導き出すことが可能です。「構造計算」は、耐震性を確認する方法の中で最も高度な計算方法になります。
安全性を高めていけば、その分コストがかかります。耐震性の高い家づくりには、安全性と費用対効果のバランスがよくなるよう、構造計算・構造設計が行われることが重要です。
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高山市や周辺エリアの地震災害リスクは?
2024年1月に石川県能登半島で起きた能登半島地震は、岐阜県内にも被害を及ぼしています。高山市の観光スポットである「高山陣屋」では、3階の漆喰塗りの内壁にひび割れが生じたほか、書物蔵で外壁の隅が5㎝ほど剥がれました。
また、高山市周辺地域がある岐阜県北部には、牛首断層帯や高山・大原断層帯、跡津川断層帯など多くの活断層があるため、地震はいつ起きてもおかしくありません。また、近い将来起こるとされている南海トラフ巨大地震によっても、県内に被害が及ぶと想定されています。
そのため、高山市周辺エリアで家づくりをする際は、地盤が強い土地を選び、家の構造を工夫するなどして耐震性を高めることが重要になるでしょう。
参考元:地震本部|岐阜県の地震活動の特徴>>高山市のハザードマップや地盤情報などについてはこちら>>飛騨市のハザードマップや地盤情報などについてはこちら>>下呂市のハザードマップや地盤情報などについてはこちら>>郡上市のハザードマップや地盤情報などについてはこちら
高山市周辺エリアの家づくりはR+house飛騨へご相談ください
地震は日本各地で起きているため、高山市周辺エリアでも家づくりの際は耐震性を高める工夫が必要といえます。
R+house飛騨では、高山市、飛騨市、下呂市、郡上市を中心に、地震に強い家づくりを行っています。木造軸組みにオリジナルのR+パネルを施工し、地震時にかかる力に対して面で支えます。耐震性を最も厳しく審査する「許容応力度計算」を全棟で行い、「耐震等級3」の基準をクリアした住宅だけを提供します。また、より地震の被害を軽減したい方は、揺れを吸収させるために制震ダンパーの設置も可能です。
高山市、飛騨市、下呂市、郡上市で家づくりをご検討の際は、R+house飛騨へお気軽にご相談ください。