はじめに…リフォーム、メンテナンスの考え方
家に限らずどんなものもメンテナンス、修繕は必要になります。最初に家のメンテナンスについての考えかたをお伝えしようと思います。
壊れたら、異常があったら直す…では損をする
一般的に家のリフォームと言って思い浮かぶのは、屋根の雨漏りの修理や外壁の割れなどの修理、水廻りの故障、破損による交換を想像すると思います。ですが、その考えでいると損をしてしまいます。
例えば、スマートフォン。新品を購入したとき。大体の方は、保護フィルムやカバーをすると思います。
家も同じです。スマホをカバーも何もなしで使って落としてしまったら、当然画面や本体が傷つきます。それを繰り返すと、本体が故障し修理費用が高くなります。一方、カバーやフィルムがあれば、傷がつくのはその部分だけとなりカバーの交換だけなので安く済みます。
家のリフォームも同じ考え方です。雨漏りがしたならば、表面の屋根だけでなくそこから室内まで水が染みわたっているということです。長年の雨のダメージが蓄積し、あふれ出したのが雨漏りなので気づいたときには柱や梁部分が腐り始めているといったケースもあります。そうなった場合、修繕費用は高額になります。そうなる前にスマホでいうカバー部分、つまり屋根をメンテナンスすれば良いのです。何事も早めの対応がおすすめです。
万が一に備える定期点検
家が大きなダメージを受ける前にメンテナンスをする。そのために欠かせないのが、定期点検です。数年に一度必ず点検をすることが、マイホームを長持ちさせ快適に暮らすために必要です。プロの目で、点検をしてもらうことにより、どういったメンテナンスがいつ必要になるかをはっきりさせることができます。
家の定期点検って必要なの?
私たち人間は毎年健康診断を受けますよね?企業は従業員に対して、健康診断を受けさせることが義務になっています。健康診断で異常が無ければそれでよし。場合によっては経過観察、期間を開けて再検査。異常が見つかった場合は治療などを行います。早期に発見できれば、治療にかかるコストや期間が抑えられます。
私たちを守ってくれる家の健康診断として、定期点検があるのです。
自分達でチェックすればいいのでは?
住んでいる自分達で点検をすればいいんじゃないの?と思われるかもしれません。確かに、簡易的なチェックや補修は施主自らできるものもあります。ですが、先ほどの健康診断に置き換えて考えてみてください。健康診断の項目を自分が同じ機械を使って検査したとして、その結果が正常か異常か、どういった治療が必要か判断できますか?できないと思います。家の場合も、家の事を構造から知っており、適切な修繕を提案できるプロに見てもらうことが必要なのです。
【結論】飛騨地域で住宅のリフォームにかかる費用はどのくらい?
R+house飛騨で注文住宅を建てた場合の、メンテナンス費用をお伝えします。使う部材、住む人の手入れの仕方によりますが、家のメンテナンスにかかる費用は、10年から15年毎に250万円~300万円と考えて下さい。
ネットで調べると様々な金額が出てきますが、あくまで、過去の住宅性能と限られたメンテナンスでしか判断していないので、目安程度にしてください。
家の性能を長持ちさせて価値を落としすぎない為の費用は年間20万円程度(R+house飛騨基準)
生涯で掛かるメンテナンス費用を、一年あたりで換算すると約20万円が毎年積み立てる必要があります。多いと感じるかもしれません。そんなに修繕にかけていない、という家もあると思います。ですが、ここで提案させていただくのは「家の価値を落とさない為のメンテナンス」です。限界を迎えるまで使い、直すといった従来の考え方ではありません。定期的にメンテナンスを行い、新品同様に使い続けていく。そのための備えとして、修繕費を積み立てていくことをお勧めします。
一般基準のリフォーム費用とリフォーム箇所
アットホーム調べによると、30年でリフォームにかけた額の平均が、532万円となっています。かなり少ない額になっているのですが、実際に家をちゃんとメンテナンスしようとすると、この倍近くかかります。その理由は修繕をした場所と割合のアンケートから分かります。
治す為のリフォームではなく、新築のまま維持するためのリフォームを
ほとんどの人が、外壁と屋根のリフォームや修繕を行った経験があるのに対して、キッチンや窓周り、床下などの部分をリフォームした人は半分もいません。本来ならしなくてはいけないものに気づいていない、指摘されてもお金が無いからできない、といった背景があると思われます。本当に家と家族の生活の事を考えるのならば、すべての項目のリフォームを計画的に行い、そのための資金の積み立てをするのがベストです。また住宅会社側もしっかりと点検を行い、費用負担が大きくない段階でのメンテナンスを提案する必要があります。
部位ごとに解説 掛かる費用と金額
ここからは総額で見るのではなく、各部位ごとに解説していきます。選択する工法や、メンテナンスの素材によって費用は上下していきます。住宅会社と相談しながら、タイミングと工法を決めていきましょう。
(屋根、外壁といった外回りのメンテナンスには足場が不可欠なので、足場費用込みの金額を記述しています。)
高山市をはじめとした飛騨地域では、雪の事も考えたメンテナンス、劣化対策を考えておかなくてはいけません。積雪量が多く、屋根や外壁部分に雪が溜まるようになると、凍結による外壁の劣化や劣化した部分への水の侵入など温暖な地域よりもリフォームのタイミングに関してはシビアに考えなくてはいけません。
屋根のリフォーム
和瓦
昔から使われている陶器瓦の場合、30年~40年ほどで葺き替えが必要になってきます。瓦そのものは長持ちするのですが、その下の防水シートの張替えが必要になります。費用は200万~300万円程度。その後、再び瓦葺にするのか、瓦から別の素材の屋根材に変えるのかによっても費用は変わります。
スレート
高山市内では、見ることが少ないですがスレート瓦、コロニアル瓦と呼ばれる屋根材も存在します。格安の注文住宅や建売住宅でよく使われることが多い材料です。
スレート瓦の場合、最初の10年目までに塗装をして表面を保護するメンテナンスが必要になります。費用は120万円ほど。その10年後は、葺き替えかカバー工法(上から新しい屋根をかぶせる工法で既存屋根の処分が不要)となり葺き替えの場合200万円。カバー工法の場合150万円ほどです。
金属(ガルバリウム鋼板)
ガルバリウム、という素材が近年では一般的になっています。昔のトタンやアルミといった金属に比べ、耐久力がはるかに上がった金属です。この素材の場合、15年~20年に一度表面の再塗装が必要になります。費用としては120~150万円で、使う塗料の種類によって費用が変わります。
高山市で新築をする時におススメの屋根
屋根に使用する材料はいくつかありますが、高山市や飛騨市、下呂市といった飛騨地域で新築をする場合におススメする屋根材は「ガルバリウム鋼板」です。
機能性とメンテナンスの頻度の低さ、そして耐久性がガルバリウム鋼板の魅力になります。また、他の屋根材に比べ軽い素材である為、耐震性でもメリットがあります。家にかかる重さが少なくなるので、断層の多い飛騨地域や南海トラフ地震の可能性を考えると軽い屋根材にするメリットもあります。
耐震等級3を確保するならば、瓦屋根もおすすめ
費用が高くなり、屋根の重さも増える瓦ですが、経年劣化のしにくさといった耐久性は断トツです。台風や風災による飛来物で瓦が割れてしまうリスクはありますが、割れた部分だけ交換すればよい、というのもメリットの一つ。
その代わり、屋根が重くなるので瓦の重さと雪の重さを計算して耐震等級3を確保した家にする必要があります。
どうしても瓦屋根にしたい、という方はしっかりと構造計算をしてくれる住宅会社を選びましょう。
外壁のリフォーム
モルタル、吹付仕上げ
モルタルの壁や無塗装のサイディングに専用の吹付塗料で仕上げた外壁です。表面を塗料で保護している外壁の場合、10年目までに再塗装が必要になります。一般的には10年~15年と言われていますが、それは新築時の塗料の寿命が完全に切れてしまう年月です。完全に防水効果がなくなる前に、メンテナンスをお勧めします。費用は120万円から150万円。上質な塗料を使えばその後のメンテナンスまでの期間を長くすることができます。
塗り壁(高耐久)
モルタルや吹付仕上げの中でも、長寿命を売りにした商品もあります。同じ塗り壁の中でも高耐久な物は初期費用こそ掛かりますが、メンテナンス頻度はかなり抑えることが可能になります。
耐用年数が20年を超えるものが多く、表面に仕上げられる塗料の厚みも通常1~2ミリのところを5ミリまで分厚くしたものも登場しています。
こういった耐久性の高い塗り壁ならば、メンテナンス頻度は20年~25年に一度が目安になります。費用としては、180万円~200万円程です。
窯業系サイディング
セメントをベースにして、そこに繊維を配合させた外壁材です。表面に保護塗装がされており、その保護塗装が切れるのか10年~15年ほどです。周辺環境にもよりますが、新築から3年経たないうちに苔やカビが生えたりという事例もあります。10年経つ頃には、新築時の色は維持しておらず、黒ずみが目立つようになるでしょう。
こういった美観を損なう前に、早めのメンテナンスをお勧めします。塗り替えを怠ってしまうと、防水性の無くなった外壁が水分を吸収し膨張、最悪の場合割れてしまいます。そうなってしまうと部分張替えか全面の張替えとなり300万円ほどの費用が掛かってしまいます。
金属サイディング(ガルバリウム鋼板)
屋根と同じく、外壁でもガルバリウムのサイディングが存在します。メンテナンス時期や方法も屋根編で紹介した方法と同じです。屋根と外壁の両方を同じ素材にすると、メンテナンス時期を一緒にできるので足場費用が節約できてお得です。
タイル貼り
少しおしゃれなタイル貼り。初期費用は、他の外壁材と比べると倍以上の値段になりますが、メンテナンス費用はかなり抑えられます。表面の洗浄と目地の補修に100万円ほどかかりますが、頻度が15年から20年に一度を目安となるので、ランニングコスト面では優れています。初期投資を多額にできる方向けです。
高山市で新築をする時におススメの外壁材
高山市、飛騨市、下呂市といった飛騨地域で新築する際におススメする外壁材は、「ガルバリウム鋼板」もしくは「高耐久な塗り壁」です。ガルバリウム鋼板がおススメな理由は、屋根材と同じく高耐久な素材であるからです。
かといって、外壁材をガルバリウム鋼板にした場合の見た目やデザインが好みではない、という方もいらっしゃると思います。そういったお客様には、高耐久タイプの塗り壁を提案しています。
飛騨地域では、雪が溜まることによって外壁に苔やカビが発生することも考えて外壁を選ばなくてはいけません。窯業ボードや耐久性が平均的な外壁では、外壁が凍ってしまう凍害の影響を受ける可能性もある為、なるべく耐久性の高い物を選びましょう。
住宅設備のリフォーム
キッチン
25年~30年での交換が一般的です。選択するメーカーによって、費用や時期は変わりますが、一度の交換で100万~130万円ほど必要になります。また、食洗器やコンロはそれぞれ10年で交換することをメーカーは推奨しているので10年毎に、それぞれ15万~20万円ほどの交換費用が掛かる、と思っておいた方が良いでしょう。
お風呂
お風呂もキッチンと同様の頻度と金額が掛かります。お風呂やキッチンのリフォームで気を付けて頂きたいのが、サイズの変更です。もしリフォームを機に、お風呂やキッチンのサイズを大きくしようとなった場合は、スペースを広げる為の工事も必要になるので、追加で費用が掛かります。
トイレ・洗面
水廻りで一番使用頻度の高いトイレは、10年ほどで交換することを目安にすることをお勧めします。人によっては5年で交換するというお客様も過去にはいらっしゃいましたがごく一部です。交換費用は15万~20万円ほど。
洗面台の場合、造作か既製品かによって変わってきます。10年ほどで水栓金具の劣化、洗面ボウルの劣化などで交換となります。故障部分の交換で済めば、費用は5万円以内に抑えられるでしょう。造作洗面の場合は、故障個所毎の交換が容易なので安く修理をすることができるでしょう。すべてが一体となった洗面台の場合は、10万円~15万円は掛かります。
建具、サッシのリフォーム
玄関ドア
玄関ドアは30年目以降に本体交換を考える方が多いです。費用としては20万から30万円ほど。そして本体交換より前に、シリンダー(鍵)や金具の交換が15年目あたりで必要になってくる場合が多いです。そういった軽微な部品交換は、それぞれ5万円ほど。
しかし、最近増えてきた自動開錠を備えた電子錠タイプの玄関ドアの場合、電子錠の交換費用は8万~10万円と費用がアップする恐れがあります。精密機械である分、部品そのものの値段が高い、ということは念頭に置きましょう。
サッシ
窓は鍵部分の交換に3万円程が相場です。本体交換になると、40年~50年目辺りが一般的です。費用は大きさにもよりますが、10万円から20万円が1ヶ所あたりの費用になります。
雨戸・網戸
雨戸や網戸をつけた場合は、10年毎の劣化具合により交換が必要になります、通常の部品交換や網戸の張替えは1万から3万円で済みますが、交換になると5万円ほど必要になります。
網戸の貼り替えに関しては、業者に頼まずDIYの範囲でやってしまう、という方もいらっしゃいます。一度やってコツを掴めば手軽にできるメンテナンスなので、プロの仕事の綺麗さにこだわらないのであれば、DIYでの修繕もおすすめです。
R+house飛騨のアフターサポート
建てた後のサポート体制
R+house飛騨では、第三者機関に定期点検を依頼し、プロの公平な目線からメンテナンスの必要性を判断してもらっています。
R+house家価値60年サポート
https://www.r-plus-house.com/about/support.html外部機関と連携してアフターサポートを行うことにより、手厚い補償と早期のメンテナンスを実現することができます。
R+house飛騨の注文住宅のリフォーム費用は?
R+house飛騨の標準仕様の場合、15年毎に250万円のメンテナンス費用を想定しています。点検の結果によっては、タイミングが早くなったり、先送りしても大丈夫だったりと家の形や立地により条件は変わります。
屋根と外壁は、標準仕様でガルバリウム鋼板を使っているため、メンテナンス頻度を抑えることができます。
また、24時間換気システムの澄家(すみか)は、メンテナンスコストを抑えることが可能な換気システムになります。断熱性能気密性能の高い住宅の場合、エアコンの台数とスペックを抑えられるので、10年毎のエアコン買い替えの負担も低減されます。
防蟻処理…5年毎に20万円
24時間換気システム…5年から10年で部品交換(5~10万)、30年目で本体交換20万
エアコン…10年で交換(メーカー推奨)6~8畳用の場合一台10万円ほど
高山市で注文住宅を新築する際は、後々リフォーム費用も考えておきましょう
家のメンテナンス費用がどのくらい掛かるのかを解説しました。家というものは、住む人の暮らし方や手入れの仕方、建てる場所や周辺環境によって、劣化の速度が変わります。家を建てる際の、資金計画やライフプランシミュレーションでは、修繕費の積み立てを反映させて将来に備えたいですね。せっかくのマイホームを建てるのなら、いつまでも気持ちよく暮らしたいものです。また、ライフステージの変化によって、家を売却する、となった場合でも、きれいに使ったものは資産として他者からの評価もされやすくなります。
親から子ども、孫世代まで永く付き合っていく家だからこそ、心地良く住めるように、メンテナンスはしっかりと考えていきたいですね。