L字型の回遊動線のある平屋
リビングに生活感を出したくないという要望から、LDKのパブリックゾーンと寝室のあるプライベートゾーンを分けた平屋が完成しました。
2つのゾーンをつなぐ長い通路はクローゼットや室内干し場を兼ね、家事動線の流れをスムーズにするとともに、面積が有効に活用された回遊動線にもなっています。
ご主人の書斎は、ロフトとしてキッチンのそばに配置。家族と同じ空間にいながら目線が変わり、適度な距離感とこもり感を得られます。
個室はどれもコンパクトながら必要十分な広さを確保し、家族との繋がりを感じさせつつも程よい距離感で過ごせる平屋の魅力を十分に引き出すことが出来ています。
引っ越し以来、活発な長女は家中をぐるぐる走り回っているそう。彼女が一番、この家を楽しんでいるのかもしれません。
庭も眺めることができ、回遊動線にもつながる対面キッチン
リビングやロフトにいる家族との繋がりを感じつつ料理をつくりつつ、ふと視線を上げると庭も眺められる造りのキッチン。庭との繋がりも感じながら料理ができ、回遊性もある家事動線で利便性も向上できるのは平屋だからできたプランでもあります。
庭も眺められるオープンな対面キッチンは、バックカウンターの収納量も多く使いやすい。収納量を増やしつつ、腰高までの棚とし、生活感も極力見せないキッチンになっています。
キッチンの横にダイニングをつけたので、料理のサーブや片付けといった家事動線もスムーズ。キッチン周りの回遊動線は、脱衣室や洗面室といった他の水廻りからウォークインクローゼットにつながり、家事がしやすい動線になりました。
LDKと程よく繋がるロフトには、書斎スペースを設けた
LDKに併設するように書斎を設けています。平屋の場合、平面で視線が交わることが多く、空間を区切らないとプライベートが確保しにくい書斎ですが、天井高を活かしロフトを作り、そこを書斎スペースにすることで、程よいこもり感を得られるようになった。今回のお客様が、完全に分離した書斎を希望せず、家族との繋がりも大切にしたいという気持ちが強かった為実現した書斎スペースです。
LDKにいる家族と会話がしやすく、書斎とリビングが程よい近さの為、お互いに気を遣うことなく、平屋での暮らしを満喫することが出来ています。
ロフトの下もパントリーとして有効活用
書斎を作ったことで、ロフトの下の空間が収納として最適なスペースになりました。
キッチンからアクセスしやすい位置にパントリーが欲しい、リビングに併設した書斎が欲しいという夫婦それぞれの希望を省スペースで叶えたプランニングが光ります。
ロフト下は、納戸となっておりパントリーとして日用品やストック品を収納しつつ、扉で隠すことで生活感を見せない工夫もされています。
生活感の感じさせず、庭とウッドデッキと繋がるリビング
リビングに生活感を出したくないという要望からLDKの広さを必要最低限確保しつつ、コンパクトに抑え視覚的に広がりある空間になるようプランニング。広すぎる空間にならないことで、収納場所や収納空間が自然とリビングではない場所に作られるようになり、リビングにものが放置されにくい整理整頓の動線が出来上がりました。
LDKのパブリックゾーンと寝室のあるプライベートゾーンはあえて離れるようにプランニング。ワンフロアの空間が大きい平屋だから可能になった公私を分けたゾーニングです。
リビングダイニングは、ウッドデッキを通して庭と繋がり、視覚的な広がりや庭・外との連続性も生まれています。
気になる外部からの視線は、掃き出し窓の位置を工夫し、外構の塀と合わせることで直接中で過ごしている様子が見えないようにしています。
庭が眺められる畳コーナー
奥様のお気に入りスポットは、リビングに併設された畳コーナー。
元々和室が欲しかった要望は、使い方と利用頻度を考慮し、畳スペースでも十分という結果に落ち着きました。フローリングの床と畳スペースの床は段差をつけず連続感のある空間にしつつ、天井部分は、梁を見せることで空間をさりげなく分ける工夫がされています。
料理や洗濯、掃除といった家事がひと段落ついたら、畳スペースで少し休憩しつつ、庭を眺める。子どもがウッドデッキや芝生で遊ぶ様子を畳スペースから見守りつつ、休日を過ごす。そんな素敵な暮らしが実現しました。
ウォークインクローゼット併設のアイロンコーナー
回遊動線からウォークインクローゼットにつながる通路の窓際にカウンターをつけ、アイロンコーナーに。
洗面室から通路で繋がっており、アイロンをかけたら横のウォークインクローゼットに収納できる便利な家事動線となりました。
ウォークインクローゼットは、家族全員分の衣類が十分にしまえる量を確保し、将来に備え、子ども部屋にも収納スペースを作っています。平屋の家事動線は、回遊動線にこだわらずとも一直線で完結できるのも魅力の一つです。今回は、クローゼット部分を一直線にし、衣類が収納しやすい・見つけやすい、家事がしやすい時短空間になりました。
アイロンを掛けつつ視線を上げると、のどかな田園風景を窓の向こうに見ることができます。
このFIX窓は、リビングダイニングの西側に位置しており、程よく夕日が差し込むようになっています。斜陽は隣接する畳スペース手前のフローリングを暖かく照らします。
秋になれば、窓からは豊かに実った稲穂で埋め尽くされた田園が絵画の様に窓から見えることでしょう。
プライベートを確保した落ち着けるベッドルーム
最もプライベートな空間である寝室は、玄関から最も遠い場所に配置しました。
平屋のプランの場合、プライベートな空間をどう配置するかが重要になってきます。外部と敷地の関係や、リビングの位置、水廻りとの位置関係、そして防犯性。それぞれを平面で考えて配置しなくてはいけません。平屋では、パブリックエリアとプライベートエリアをどうゾーニングするかも建築家の腕の見せ所、というわけです。
今回は、公私をきっちり分けたいという要望の為、寝室は玄関から遠い場所に配置しました。また、家がL
L字型だったことで、より奥まったプライベートな空間に寝室を配置することが出来ています。
しかし、寝室を奥に配置しすぎると敷地によっては、朝日が差さなかったり、明かりが取れず陰鬱な雰囲気になる恐れもありました。
ですが、今回は、家の形をL字にしたことで、寝室も庭に併設する一部として配置するが出来ました。玄関やリビングからは最も遠くプライバシーを確保しながら、庭を介してつながることが出来るので、日射も入り、雰囲気も明るくなっています。
朝、目を覚ましてカーテンを開ければ、気持ちの良い朝日を浴びつつ、目の前には芝の緑が広がる。そんな爽快な目覚めで一日を迎えることができます。
ンを開けると庭の緑が目に飛び込んできて、爽快な気分に。
おしゃれなペンダントライトも雰囲気づくりに一役買っています。
広々としたウッドデッキ
LDKと畳スペース、寝室はそれぞれ庭に隣接しています。L字型の平屋だからできた庭の使い方です。日中過ごすLDKと畳スペースから庭に出入りがしやすいように、広いウッドデッキを設けました。
庭を介してつながる平屋になり、四季の移ろいも感じる自然と共に暮らせるお家になっています。
子ども部屋も引き違い窓から庭が見えるようになっており、平屋の居室すべてが庭で繋がることが出来てい
ます。
家の中の回遊動線と、ウッドデッキを利用した外と内を繋ぐ動線の二つのおかげで、家事も子育てもしやすい、子育て世代にぴったりの平屋になりました。
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